屋久島での一戸建てでは初のお宅であります、K様邸の工事が始まりました!
お施主様は東京の方ですが、去年たまたま島におられる時に事務所の完成見学会があり、ご参加くださいました。
ご夫婦とも島でもリモートでお仕事が可能だという、お子様お二人の理想のご家族様です。
お仕事で東京にいらっしゃるので、今は東京と京都でZOOMの打合せを重ね、必要な時は現地とFace Timeで状況を把握して、とかなり現代的な方法で進めていきました。
色々と難しいと思いきや、K様のご協力のおかげで色々な決め事もスムーズに進み、遠隔でもお家作りが出来るというこれまた初めての発見。
これからのKEIJIに、とても勉強になるやりとりをさせていただきました。
敷地は、海とが山が見えて、家の周りは車の通りも少ない、とてもいいロケーション。
ご夫婦のワーキングスペースからは山を、リビングとお子様部屋からは海を見られるように設計しているので、水平線や山が綺麗に見えるよう、景色を見ながら建物の配置を丁寧に考え地縄を貼ります。
地鎮祭では、K様のご両親様、お兄様がご参加下さいました。
いよいよ基礎工事が始まります、いいお天気!
おうちの高さの基準となるGL(グランドレベル)は、家の前のアプローチの傾斜やその他色々な要素を考慮して設定します。
それを基に計算し、基礎屋さんが丁寧に掘削、砂利を入れ転圧して下さいます。
防湿シートを敷き、捨てコンクリートで押さえて建物の正確な位置をもう一度墨出しして、外周の型枠、鉄筋の配筋をします。
ここで配筋検査を受けますが、検査員の方曰く「木造住宅でここまでしっかり配筋している現場は初めて見ました。」鉄筋の太さ、形状、配筋のピッチ、どれもおうちがしっかりした造りになるように考えてあります。
基礎屋さんも、KEIJIの基礎を褒めていらっしゃいました。
「基礎が一番大事っちゃ言うのに、見えないからゆーてよく基礎に手を抜くがよ!」(屋久島弁、合ってるかな。。) 基礎屋さん、想いは一緒です!
コンクリートを打つ前に給排水の配管をするのですが、配管の部材も普通の物ではありません。
コンクリートに直接配管を埋めてしまうのではなく、将来的に配管が傷んでしまっても取り換えがきくように配管の鞘(さや)をコンクリに埋めます。
メンテナンス可能な、長く安心して暮らせる家にする工夫があらゆるところでひっそりとおうちを守っております。
狂いの少ないメタル型枠で組んでいただき、アンカーボルトも先に鉄筋に固定していただきます。
これででしっかりと基礎と土台を繋ぎます。
ベタ基礎で地面の湿気からしっかりおうちをガードして、さらに内玄関の土間、シューズクロークのところもちゃんと断熱されるようにスタイロフォームという断熱材(水色に見えているもの)を入れてコンクリートを打ちます。
島の左官屋さんには、こんなことするんか!と笑われましたが、KEIJIはいたって真剣でございます。
土台敷きの前に給排水配管をします。
配管は、コンクリに埋めた配管と同じ原理のさや管ヘッダー工法というやり方でやっていただきます。
「さや管ヘッダー工法とは、さや管に給水管を通して二重にすることで耐久性を向上させ、将来給水管の交換の際に躯体を壊さずに交換できる工法。また、さや管による断熱効果が高いため結露がおきにくく、保温効果もある。」良いこと尽くし!
土台・大引きの説明はYouTuber社長(?)の動画をどうぞ!
掃除や業者さんへの気遣いなど、気持ちを込めて作った家は、気持ちのいい家になります。
床を貼る前に、エコボロンという防蟻処理剤を撒きます。
セルロースファイバーと同じホウ酸で出来ているものなので安心で、効果は半永久的。おうちを守ります!
床下を完璧にしたら、床にセルロースファイバーをふくためにセレラップという紙を貼ります。
土台の厚み分、しっかり断熱されることになります。
そして、床の合板を貼ります。厚みなんと28㎜!どこにでもピアノが置けます。
上棟!快晴!!
棟上げはおうちの晴れ舞台の日。
島の大工さんも応援に来て下さり、みんなで気合を入れて取り掛かります。
ユニックの音でかき消されないように声を張り上げ、あーじゃこーじゃと要ること要らんことも言って笑いながら盛り上げていきます。
4トンユニックを使い、時には荒くれ男たちが重たい材木を手で持ち上げ、まるで生き物のように建ち上がっていくおうち。
ハンマーで打ち込む音が気持ちよく響き渡りました。
そして上棟式です。
御幣に向かって今後の工事の安全と、K様邸のご多幸を願い行います。
この御幣は、これからも変わらずおうちを見守って下さるよう、式のあと屋根裏に据え付けられます。
建物の四隅に、鬼門から順番に祈祷したお酒、お塩、お米を撒いていきます。 お子様もご一緒にお清め。皆さんの笑顔が何よりの良い御祈願になるでしょう。 はやくできるといいね!
棟上げが終われば、次は雨に降られる前に屋根、壁、サッシを急ぎます。
今日もいいお天気!
お施主様、本当に守られていらっしゃるようにちょうどいい時に晴天です。
そして、そういえば見てくださいこの、キラッキラの足場を!!
K様邸を皮切りに屋久島で展開していくにあたり購入しました、新品です!
この新しいタイプは古い型の物とは違い早く簡単に設置出来るので、より良いサービスの提供にもつながります。
屋根工事の小噺をひとつ。
雨押え板金という、1階部分の屋根(下屋根)と外壁が接する部分に取り付けられる板金があります。
外壁と下屋根の取り合いから外壁を伝う雨水や、吹き込んだ雨水が住宅内部に侵入するのを防ぐために取り付けられています。
これを使わずにコーキングで塞いでしまうと、もしも外壁内部に雨水が入ってしまった場合に逃げ道が無くなり、雨漏りが発生してしまいます。
雨押え板金を使えば、排水用の隙間を確保して雨漏りのリスクを無くすことが出来ます。
K様邸では、GOOD DESIGN受賞の「雨押え i-ROOF」という商品を使っています。
瑕疵担保保険の検査も無事合格し、構造がお墨付きとなりました。
おうちを建てる作業は、安心をつくる作業とセットですね。
金物のチェックもしていただきました。
おまけです、上棟の次の日に敷地からみんなで見ました、種子島のロケット!
お次は電気工事でございます。 セルロースファイバー(断熱材)を吹く前に、壁の中の配線を済ませます。
当たり前のことですが、配線を通すために柱や梁等の構造材には絶対に穴を開けないように気を付けています。 事前にお客様とは、現場を見ながらコンセントの位置などを入念に決めました。 電気の配線が入ると、いよいよおうちが動き出す準備が始まったように感じます。 おうちに明かりが灯るのが待ち遠しいですね!
そして、断熱工事です。 床、壁、天井にぎっしりセルロースファイバーが詰められ、おうちをまるまる包み込んでくれます。 今風にいえば「まるっと!」え?もう古いですか?
断熱工事をすると、それまでとは音の伝わり方が全然変わります! 外の音がしっかり遮断され、とても静かです。 板金屋根で断熱材が薄いグラスウールですと、屋久島の強い雨の日の会話では「え?何だって?」と志村けんさんのコントのようなことも起こります。 セルロースファイバーはしっかり音をとめてくれるので、その心配はなく、安心ですね。
しっかりと断熱工事が整ったところで、次は内装の木工事となります。
フローリングが貼られた床は、汚れたり傷ついたりしないように、
おうちが仕上がる最後まできれいに養生されます。
内壁の下地には、石膏ボードを貼ります。
ジョイントが少なく済むよう、施工が早く出来るように、
壁には3×9というとても大きな規格のものを使います。
トラックから大量のボードを室内に運び込みますが、これがまた重たくて、運ぶのが大変。
木ではないのでぶつけたら欠けてしまうし、持ちにくいし。
さあここから3人の大工の3×9ボード運びレースです。
壁の分だけで200枚弱、天井を入れたら260枚ほどあります。
選手は、大工から長距離トラック運ちゃんから島での夕飯作りまでこなすマルチプレイヤー佐々木さん。
お次はインドネシアから参戦、鼻歌を歌いながらひょうひょうと仕事をする若きタカくん。
そして、酸いも甘いも知り尽くした屈強な男、我らが社長。
前半は、ボードの運びにくさに加えて周りの障害物もあり、それぞれ苦戦している模様。
すっぽり人が隠れるこの大きさ!
そんな中やはりさすが社長、障害もなんのそので早々とコツを掴み、自分のペースでどんどん進みます。
佐々木さんは社長の怒号ともアドバイスともとれる声掛けに、重みに耐えつつ黙々とやり方を探る様子。
そして、他二人とは2廻りほど歳の若いタカくん、いつもひょうひょうとしすぎて力を使っていないのか、
「オモタイデス~」と、一番苦しそうにやっとかっと運べている状態。
タカ君、甘いマスクだけではだめですよ、男は強さです、筋トレして下さい!
ボード運びが後半に入ると、様子が変わって来ました。
努力家佐々木さん、趣味の山登りのように着々と確実にペースを掴んできたようです。
社長は相変わらずの力強いレース運びですが、佐々木さんへの愛の怒号に加えタカ君への指導、
周りへの気遣いもこなしながら少々疲れが見えてきました。
そんな中、急に頭角を現したのがタカ君。
社長に教えられた持ち方に変えて、ボードの重力の中心をとらえて無駄な力を入れずに運べるようになったとたん、
すいすい運べるように。
「シャチョウ、ワカリマシタ!」
思わず笑顔!
レースは誰が勝利ともとれない結果となりましたが、やはり若さには勝てぬか、と、
私含めタカ君以外みんな内心でつぶやいた一幕でした・・・
木工事が進み造作の家具などが出来上がると、次は塗装工事に入ります。
今回は、造作家具は床の色と合わせて塗装をして空間に統一感を出しました。
そしてしっかりと収納計画を立てることで、部屋が煩雑にならないように工夫をしています。
部屋を整えることは心をととのえること。
ということはととのった部屋はこころをととのえるとのこと。
早口言葉のようですが、お施主様の幸せに一役買えればさいわいです。
ちなみに下の写真のスペースは、お湯のリモコンなどが収まるニッチというスペースです。
この窪んだ壁には、ある秘密が。
クロスの下に鉄板が仕込んであり、磁石がくっつくようにしてあるんです。
学校のプリント、買い物リスト、お気に入りの写真、どうしても捨てられない子どもの落書き・・・
そんな大切なものに画鋲で穴を開けなくても大丈夫。クロスにも穴が開きません。
最近の冷蔵庫は磁石がつかないですし、これは超便利だと思います。
部屋はすっきりしたいですが、ごちゃごちゃを許しちゃうスペース、隙間と遊びも大切!
ついに、K様邸が完成致しました!
奇跡的な尾之間事務所見学会での出会いからはじまり、遠距離にも負ケズ、
この日を迎えることが出来ました。
そして、完成見学会にも快く了承してくださり、土日の2日間で見学会をしました。
断熱材や数々の工夫、KEIJIの家づくりのこだわりや快適性を、
たくさん島の方々に見ていただくことが出来ました。
窓から見える景色、空。
気持ちがいいです!
上の写真で、洗面所の窓の上の天井には、間接照明を仕込むための隙間を作っています。
こうすることで照明器具を直接見せずに、綺麗に光が壁を照らすように工夫しています。
この隙間のサイズも、経験を重ねてたどり着いた、一番きれいに見えるための最善のサイズです。
年々夏の暑さが厳しくなり強烈な屋久島の日差しでも、しっかりとセルロースファイバーで断熱することと、
窓の仕様、軒の出などにもしっかりこだわることで、大きい開口で景色も取り入れながら快適に暮らすことが出来ます。
そして、K様邸にはなんと、お子様のそれぞれのお部屋にそれぞれのロフトが!
夏でも暑くなりにくいこの性能だから作れる、屋根裏部屋なんです。
実はこの、おうちの中で一番景色の良いロフトの計画は、お施主様のご希望でした。
優しいK様のお子様への気持ちが伝わります。
無事にお引渡しが完了して、記念撮影です。
屋久島で1棟目の住宅ということで、「1」!
完成見学会、お引渡しには上棟以来に京都から吉田も参加しました。
ウッドデッキからの景色は広大な海が広がっており、流石屋久島という圧巻の景色が広がっています。
上棟の次の日に見た種子島が見えるので家の庭からロケットの打ち上げが見れます。
書斎からは屋久島の中心部にそびえたつ山々が見えます。
あっちの景色とこっちの景色を2つも味わえる、屋久島ならではK様邸です。
屋久島ではKEIJI第一号となりました。
K様本日はおめでとうございます。これからも宜しくお願いいたします。