夏の暑さもやわらぎ、雨も少なく過ごしやすい島の秋に
O様邸の工事が始まりました!
広々と開けた、気持ちの良い場所がO様の敷地です。
本日は地鎮祭。
清酒、塩、お米を土地の四隅に撒いて土地を清めていきます。
敷地がとーっても広いので、お清めにまわるのも大変!
O様ファミリーは、いつも笑い声が楽しく響く、素敵なご家族様です。
地鎮祭もとっても楽しくおもしろく、土地の神様もお喜びになったでしょう!
今は何もないこの土地に、家が建ち、家族が過ごし、かけがえのない場所になっていくんですね。
楽しみです!
いよいよ基礎工事が始まります。
11月に入ったというのに、昼間の最高気温は26.5度!
ニュースにもなるほどの異常な夏日、雲一つ無い晴天!!
じりじりと陽射しが照り付ける中、大変な作業も気持ちよくして下さる基礎屋さんに、本当に感謝です。
しっかりと踏み固め高さを整えたら、下からの湿気をシートでガードします。
コンクリートで周囲を押さえ、基礎のそのまた基礎の部分をしっかり丁寧に作っていきます。
そして、型枠を組み鉄筋を入れます。
美しい!
この鉄筋の配置はただ美しいだけではありません。
基礎の上にかかってくる重量と構造を計算した上で、しっかりと家を支えられるように鉄筋太さ、長さも決められ配置された鉄筋です。
鉄筋が足りないから短いのもを繋いで使う、だいたいこのくらいで切っておく、というわけにはいかない大事なものです。
構造計算も、KEIJIは簡易的なものではありません。
ウン百万する詳細まで計算出来るソフトを使って、しっかりとした構造計算をしています。
今だけではなく、何十年、100年先まで快適に暮らしていただくために、KEIJIは真剣です。
しっかりと鉄筋を組んだところで、配筋検査をしていただきます。
おうちの保険、瑕疵担保保険のための検査です。
新築住宅を供給する事業者には、住宅瑕疵担保責任保険への加入が義務付けられているんです。
第三者機関による検査も受け、前回に続き「屋久島でこんなにしっかりとした配筋は見たことが無い」という
検査員の方のお言葉も頂き、次のステージに進みます。
上棟の前に、土台を準備しておきます。
基礎パッキンを並べ、その上にプレカットで届いた木材を配置していきます。
昨日までの雨が上がって良かった!
土台の木材を、基礎から出ているアンカーボルトにしっかり固定します。
写真の下の方のボルトがアンカーボルト。
家と基礎を連結し、地震や強風の際の引き抜き力や剪断力に耐える、重要な部分です。
アンカーボルトの上の方に見えているのが、
木材を連結する金物です。
KEIJIでは、断面欠損が少なく色々なメリットがある、ピン工法という工法で建てていきます。
そして、いよいよ上棟!
天気も良く、気持ちの良い上棟日和です。
空飛ぶ材料が青空に映えます。
上棟での建て方の早さもピン工法の良いところです。
ぐんぐん骨組みが出来上がっていきます。
そして、夕方に上棟式を行いました。
ご家族様皆さまご参加くださり、いつものように楽しくわいわい四方のお清め。
今日無事に上棟出来ましたことへの感謝、そしてこれからも無事に工事が進みますように。
お子様にはジュースで、応援に来ていただいた大工さんも一緒に、乾杯!
次の記念撮影は、完成した時ですね!
KEIJIでは、セルロースファイバーという断熱材を標準仕様としています。
これは、リサイクルされた新聞紙とホウ酸から出来ている非常に優れた断熱材です。
もうご存知かと思いますが、今回改めてその効果を丁寧にお伝えしますね。
新聞紙に混ぜているホウ酸とは何かというと、自然の鉱物から作られた自然素材です。
鉱物の他にも海水、淡水、岩石、すべての植物、土壤などに存在するもので、
植物の必須栄養素でもあります。
鉱物を精製して作られたホウ酸は、腎臓の無い虫などには有害で防虫効果がありますが、哺乳動物には安全。
揮発もしないので、シックハウスやアレルギーの心配もありません。
セルロースファイバーの特徴としてまず、断熱性能の高さがあります。
元々の断熱性能に加え、壁の中や柱の間の隅々までポンプで充填されるので
断熱性を下げる隙間を作りません。
よく使われるグラスウールは、どうしても隙間が出来てしまい断熱性能を確保できません。
寒暖差と湿気の多い屋久島では、この断熱性能が快適さ、電気使用量に直結する重要な要素になります。
そして、吸放湿効果の高さ。湿気を吸い込んだり吐き出したりする事ができる性能の高さです。
多くの断熱材は湿気に強くありません。
一度内側に湿気が溜まってしまうと、繊維の奥まで水分が入り込んでなかなか外に排出できないからです。
セルロースファイバーはこの吸放湿性能の高さによって結露やカビを防ぐことが出来るので、
この湿気の多い屋久島にはぴったりの断熱材です。
高い防火性能。新聞紙と考えると良く燃えそう!と思いがちですが、
ホウ酸が混ぜてあることで一般的な断熱材よりもむしろ高い耐火性能を持っています。
対して発泡スチロール系は70~130℃で融解し始め、グラスウールは350℃前後で溶けてしまいます。
しかも燃えた時に人体に有毒なガスを発生させることがありますが、
セルローズファイバーは有毒なガスを発生させることはありません。
ホウ酸の説明で書いたように、強い防虫効果があります。
とにかく虫の多い、虫の住処におじゃまさせてもらっているような屋久島では、
しっかり境界線を作ってお互い快適に暮らしたいものです。
ちなみにKEIJIでは、床下にも防蟻材として液体のホウ酸を噴射施工しています。
化学的な防虫剤は効果が何年かしか持たず人体に有毒ですが、
ホウ酸は安全な上分解されず、特に水で流されない床下での効果はずっと続きます。
製造時に必要なエネルギーも少なく、石油から製造する化学発泡プラスチック系等の断熱材と比較して、
製造時のエネルギー消費やCO2排出量が数十~数百分の一という、
環境負荷の少ないエコロジーな素材です。
単価としては他の断熱材より高価ですが、
KEIJIでは自社製造、自社施工することでより安く提供しています。
この快適性と、長い目で考えた時の光熱費のトータルコストを考えると、決して高い選択ではありません。
エアコンや除湿器などの電気を極力使わず、少しでも脱炭素社会に向けて行動したいものです。
皆さんは猫のことをどう思っていますか。
好きな人に、私のことどう思ってるの?と聞くような言い方ですが、私スタッフTは猫が大好きです。
どうしたら猫が猫生を幸せに過ごせるかという事をよく考えています。
おそらく同じように猫好きで、3匹の愛猫さんと暮らしていらっしゃるO様のご提案で、
キャットウォークを作ることになりました。
新築のお家の、しかもメインスペースのリビングに猫のための大掛かりなキャットウォーク。
その心意気にグッときます。
西側TVボードの上からまず市販の爪とぎポールを登り、そこからステップを登って南側FIX窓の窓台へ、
そして猫のためにあったのかと思うような化粧梁を渡って吹き抜け北側面を通り、元のTVボード側に戻るという
回廊動線の基本計画が決まりました。
猫は後ずさりできない、と言われることがあります。
実際には出来なくも無いのですが、行き止まりからおしりを上げて歩きにくそうに少しずつバックする姿から、
後ずさりが得意ではないことが分かります。(可愛いですが)
ですので回廊動線は猫にとって動き回りやすく、また高い所が好きなので
高い位置の通路はとても良い遊び場になります。
また、3匹の猫さんが通路でお互い鉢合ってしまって、どうやってすれ違いすれば良いか
ツイスターゲームの猫版のようになってしまうと大変なので(可愛いですが)通路の幅は広めに作っています。
ステップの高さ、長さも、子猫や老猫でも昇り降りしやすいサイズに計画。壁に造り付けて見た目もスマートにしています。
そして塗装材には、滑りにくく身体に優しい自然塗料を塗っています。どこまでも猫想い!
そして、北側通路途中には透明の部分を。
もちろん、肉球目当てです。
アクリルは安価ですが傷に弱く曇りやすいので、ガラスを特注し落ちないように造作。
TVボード側には市販の宇宙船(透明のボウル)も設置。
そこを通らないと降りれないという、なんとしても宇宙船に入らせる作戦。
人間側のお楽しみ計画もばっちりです。
想いのたくさん詰まった、素敵なキャットウォークが出来上がりました。
家族皆さんがリビングで過ごす時の楽しみが、何倍にも増えましたね!
O様邸の設計で、特にこだわったのがゾーニングでした。
言わば住宅の中での要素の配置です。
間取りを考える前の、生活の動線や大きな用途ごとの位置関係を示すものです。
このゾーニングがどう計画されるかによって、快適さや暮らしやすさ、
そして暮らしの在り方や家族の関係性まで左右される、設計にはとっても大事な部分です。
O様のご希望は、子ども部屋が玄関に近くそこのゾーンでトイレ、手洗いもまとまっていて、
なおかつLDK部分とは境界があるというもの。
広くすれば簡単に解決しても、床面積を広げると同時に予算も上がってしまいます。
色々なプランを検討した結果、LDKと子供部屋の出入り口は繋がっているものの、
出入り口前に玄関からまっすぐ廊下としてタイル敷き部分を作り、
LDKのフローリングと意識的にゾーン分けする計画となりました。
廊下はモルタル調のフロアタイルです。
内玄関と同じ素材にすることで、玄関から入った時に見えるまっすぐに伸びるラインを強調。
四角の大きめ手洗いと曲線の無い水栓が、廊下の直線を強調して空間にいい効果を出しています。
廊下の突き当りには、いい感じのブラケットライト。
アールの垂れ壁が、やさしい雰囲気をプラスしています。
そして、話し合いの途中で生まれた計画、家事ラク動線。
キッチン奥収納スペースから引き戸を開けて洗面所、風呂へとひと続き。
台所仕事と洗濯関連、家事動線がスムーズなのはとっても重要です。
洗面所には洗濯機、物干しハンガーパイプ、横には広いウォークインクローゼットがあり、
洗って乾かして片付けてがすべて1か所で行えます。
また、とってもおしゃれなO様はクロス使いに個性があって素敵です。
全体のメインクロスがグレーなところも、とてもいい感じです。
それぞれの個室は、それぞれのお好みのカラーで!
美装も終え、お施主様の検査も終えて、いよいよお引渡しとなりました。
ご家族様皆さまに一通りの説明をします。
機器の使い方、掃除の仕方、メンテナンス方法。
取り扱い説明書をまとめたファイルや、瑕疵担保保険の証書、
防蟻の保証書、メンテナンスの際の材料もお渡しします。
最後、ちょっとした直しや付けて欲しいものがあれば社長がすぐに対応します。
ライトの高さも微調整しました。
出来ることがあれば何でもしてあげたい。社長の言葉です。
思えば長い間、色々な計画を試行錯誤しながら進めて来ました。
家を建てるということは、とても大変なことです。
お施主様とKEIJIとでたくさん相談し、協力し合い、努力したものが形になりました。
あとは、ご家族様皆さまの楽しい毎日がおうちに彩りを加えて下さいますように!